2013年7月29日月曜日

素材色彩研究会MATECO連続セミナー『都市・まちの素材と色彩-02』 開催のお知らせ

素材色彩研究会MATECOでは、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーを実施しています。
世界の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。

その地域特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。


第二回はゲストに色彩計画家の吉田愼悟氏、聞き手に都市計画家の小出和郎氏をお迎えします。
フランスのカラリスト、ジャン・フィリップ・ランクロ氏のアトリエに研究留学し、環境色彩デザインの手法を日本で広めてきた吉田氏に、留学当時のパリと現在、そして日本を比較しながら、“図が映える地としての街並み”について、語って頂きます。
また小出氏が所属する都市環境研究所から委託を受け、吉田氏が1980年に実施した広島大学統合移転計画のための環境色彩調査は、その後長きに渡りアーバンデザインと色彩の良好な関係性を築くきっかけとなりました。当時の試みを元に、これからの地域の景観形成のあり方や展望について、アーバンデザインの視点からも素材と色彩を読み解くことができれば、と考えています。

吉田氏は2013年5月にパリを再訪してきたとのこと、最新事例も数多くご紹介頂けるそうです。皆様、ぜひお誘いあわせの上、ご参加下さい。

連続セミナーのお知らせ


エッフェル塔他、様々な建築物の測色結果もご紹介致します

●日時:2013年9月16日(月・祝) 13:30開場 14:00開演 17:30終了予定 

●場所:代官山ヒルサイドテラス E棟ロビー

●第二回ゲスト
吉田愼悟(色彩計画家)× 聞き手:小出和郎(都市計画家)
第三回(2013年11月中旬)ゲスト/蘆田暢人(建築家)
第四回(2014年2月上旬)ゲスト/高山登志彦(煉瓦職人)
※三回目以降の日程・聞き手は調整中です。

●お申込み
お名前(ふりがな)・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。
100mateco(アットマーク)gmail.com

●定員
先着45名

●参加費
1,000円(ワンドリンクつき)

2013年5月31日金曜日

第二回勉強会『素材が立ち上がるまで-日本のタイル 生産・設計・施工の現場から』 まとめ①

2012年11月2日に実施しました第二回勉強会のまとめを少しづづUPして行きます。

同年6月に実施したタイル工場見学会での体験から、『素材の成り立ちは理解できたが、実際の設計や施工方法等についても学びたい』という要望が多く、マテリアルディレクター・田村柚香里氏やタイル施工店の方、そして自身にとってとても思い入れのある虎屋の京都店の設計をご担当された建築家、蘆田暢人氏をお招きし、タイルという素材について、色々なお話を伺いました。

素材が醸し出す雰囲気や印象、建築家がどのような思想でこの素材を選択したのか。
まとめその①、まずは蘆田氏のお話からご紹介して行きます。

■建築家にとって、タイルとは?
今日はタイルがテーマですが、私は普段設計する際に、素材単品だけについて考えたり話したりすることはほとんどありません。設計という仕事は構造や設備、平面計画など、膨大な情報を扱いますから、素材のことだけを考えている訳には行きません。本日のテーマも実は何をお話すればよいか正直少し悩みましたが、内藤(廣建築設計)事務所時代に担当した虎屋京都店の話から始めて、他の設計者の作品も交えながら、私なりにタイルについて考えたことをお話してみたいと思います。

まずはタイルってなんだろう、というところから入りたいと思います。ラテン語にテグラ(tegula)という言葉があります。これはタイルの語源になっている言葉なのだそうで、このテグラは「ものを覆う」という意味を持っています。

建物は躯体と仕上げという二つの要素でほぼ成立しますが、この2つの要素のうちの仕上げの部分をテグラ(=タイル)という言葉が包含していたと考えると、中々タイルという素材は奥深いなと思いました。そして、この仕上げというものを根本から考えようとしているMATECOは良い視点を持っているなと感じました。

それでは早速、虎屋の京都店について話をしていきます。虎屋は本社が東京にあるので東京のお菓子屋さんだと思っている方もいらっしゃるようですが、もともとは京都が発祥の地で、明治天皇が上京した際に御用菓子として一緒に東京に移った、という経緯があります。本社が東京に移転した後も、京都御所の近くには工場がありましたが、その工場の郊外への移転に伴い、500年以上の歴史を持つ虎屋発祥の地にふさわしいお店をつくろうというところから、このプロジェクトが始まりました。

■和菓子のイメージを表現する素材
この京都店の外装がタイルになった経緯についてお話をしたいと思います。
京都店では奥に庭を持つ店舗側の壁にはレッドウッドを使っていますが、通り沿いのギャラリー部分の壁にタイルを使っています。庭は季節の移ろいによってどんどん変化していきます。その変化する庭に面した店舗の木の外壁も、時間と共にエイジングして雰囲気が出てきます。中庭側にはそのようにどちらかというと時間を背負うような素材を選択しています。

中庭を臨む喫茶スペース。
一方、一条通に面したギャラリーはこの建物の顔とも言え、また御所の方からのアイストップにもなるため、ずっと変わらずに美しい表情が保たれなければなりません。実は当初、版築という土を型枠に詰めたものを使おうと思っていました。ところが版築はモルタル下地からの白華現象が発生する恐れがあることが判明しました。

一条通に面したギャラリーと店舗。
ギャラリー部分は店の顔となる部分ですから、長く美しいイメージが保たれるような材料でなければならない、と考え、タイルであれば接着工法を採用することで白華は防げますし、磁器質の製品であれば表面の退色や汚れは防ぎやすいことから、タイルを採用することとしました。

手のひらに乗るくらいのタイルは和菓子そのもののイメージにもつながります。白でもただの真っ白ではなく、ほのかに桃色というか桜色というか、少しやわらかな可愛らしいイメージのタイルをつくることを目指しました。また形状や釉薬の特徴を活かし、タイルに光が当たった時に少し表情が変わるような、そういう変化もつくりたいと考え、試作の中ではラスター(光彩)や白の中に色の固まり(粒)を入れたものなど、様々な工夫を試みました。

そのようにして2~3か月くらい、INAX(※現LIXIL)さんと試し焼きを重ねてきました。その回数は正確には記憶していませんが、10数回に及んだかと思います。最終的に選択した手法は白・淡いピンク色・透明の釉薬を数回(4~5)重ねてかけることにより、なんとなくピンク色がにじんだように感じられる程度、というような塩梅に落ち着きました。

■タイル活かす設計とは
タイルを使うとなると、次は割り付けを考えなくてはなりません。ところがこれがまた苦労の連続でした。ギャラリーのコーナー部分はR面になっていて、上部が少し窄まった円錐形状になっています。タイルを貼るときこの円錐部分は真物だけで行くと上に行くに従って辻褄が合わなくなってきます。それを解く方法として、一枚のタイルを半分に割り(半マスタイル)、それをランダムに配するという方法で解決しました。

半マスタイルを使った割付け
タイルが持つラウンドのある形状と釉薬の影響からか、この壁面は晴れの日と曇りの日で見え方が変わります。晴れの日はかなり白く見えますが、曇りの日は淡いピンク色に見えます。これは完成するまで予想していなかったことで、出来てみてこのような変化を目にし、タイルという素材の面白さを感じました。

次に目地の割り付けについてですが、3ミリ目地で半マスタイルをランダムに配し、目地が縦に通らないようにしています。今回は目地を目立たなくするということを目的に、そのような方法を選択しました。また目地の割り付けについては、誘発目地というのがかなり大きな問題です。写真ではわかりにくいかも知れませんが、実際には縦に2本誘発目地が入っています。

躯体の誘発目地は20ミリ前後ですが、それを目立たせないためにタイル面の誘発目地の巾を最終的に5ミリにまで抑えています。誘発目地には特別な細工をせずに、5ミリの巾のままで通しました。タイルの目地巾と寸法が異なりますが、実際にはそんなには気にならないように仕上がっていると思います。

ギャラリー外観

<2> へ続く

第二回勉強会『素材が立ち上がるまで-日本のタイル 生産・設計・施工の現場から』 まとめ②

※第二回勉強会『素材が立ち上がるまで-日本のタイル 生産・設計・施工の現場から』 まとめ②
建築家・蘆田暢人氏のレクチャーより

■建築家がタイルと目地をどのように扱ってきたか
次に、タイルがデザイン的にどのように考えられてきたか、ということを設計者の立場から私なりに考えたことをお話ししたいと思います。

弘前市立博物館 ©Masato Ashida
これは前川國男さんの弘前市立博物館です。最近弘前に行く機会が多く、時間を見つけては見に行くようになったのですが、改めてプロポーションがとてもきれいだなと思います。

タイル一つとっても縦貼り・笠木・まぐさなど、一つの建物の中でも形状や貼り方のバリエーションが豊かで、かつバランスのコントロールがとても美しいと思います。
前川さんがここで採用した打ち込みタイルという施工方法は、やはりこの時代特有の剥離の問題が大きかったのだと思います。前川さんはテクニカル・アプローチという設計スタンスが特徴で、技術の方からデザインにアプローチをしていく、という彼の考え方が打ち込みタイルには良く表れています。

躯体を守る、という意味ではタイルはとても優れた材料です。コンクリートに直接貼れる、すなわち下地を通さなくていいという合理性があります。またタイルはコンクリートの量塊感を表現するのに適していて、コンクリートととても相性の良い素材だと思います。弘前市立博物館はコンクリートを保護するというタイルの役割と、タイルが剥離してしまうという構造的な弱点を解いたのが打ち込みタイルという方法であり、デザイン・性能・工法の話がきちんと解決できている、という事例なのではないでしょうか。

もう一つ、前川さんの打ち込みタイルで注目したいのは目地なのですが、目地が表面に出てきていません。タイルの形状が工夫され、型枠の裏で目地を詰めています。そうすると表面から見たときにタイルがかなりカチッと納まり、すっきりと見えます。目地が表面に出てくるとどうしても目地の印象が強くなったり、タイルの表情が甘くなったりするという側面があります。

シャープな目地とセパ穴 ©Masato Ashida
とても美しい仕上りなのですが、なぜこの工法が普及しないのかというと、やはり大変な手間がかかるので、現代ではPC板に打ち込むというのが主流になっています

■ポストモダンとタイル
弘前市立博物館は1970年代のですが、次に80~90年代、ポストモダンの時代に入ります。この時代にどのようにタイルが使われていたかというと、正方形のタイルを用いた目地がしっかり見える建築が多くあります。

この頃はモダニズムから脱却すべき新たな方法論が模索され、地域性や歴史、あるいは幾何学などにデザインの拠りどころが求められた時代です。それは例えば、タイルの使い方について見れば、槇(文彦)さんのヒルサイドテラスD棟や、磯崎(新)さんのつくばセンタービルなどが例に挙げられます。

ヒルサイドテラスD棟
ヒルサイドテラスD棟。150角タイルを使用
つくばセンタービルはエレベーションを幾何学で構成するという哲学に基づいて微分化するということをやっています。その方法にタイルという材料が合っていたのだと思います。建築をつくる上での最小単位にまで幾何学を徹底する、というスタンスが見られるのがタイルの使い方のこの時代の特徴だと思います。

その極地はジャン・ピエール・レイノーというアーティストの作品ではないかと思うのですが、これは1981年に原美術館で発表されたゼロの空間という作品です。白いタイルと黒い目地の組み合わせにより床・壁・天井すべてをグリッド化して空間を徹底的に抽象化し、幾何学性を浮き立たせることによって異空間のような様相を呈しています。
‘80年代にはこのような目地の扱いがよく見られました。

■現代建築とタイル
では現代のタイル・目地の扱いはどうかということを見てみましょう。青木淳さん設計の青森県立美術館は鉄骨造の外壁に煉瓦を積んでいます。煉瓦を積んだ後に目地をつぶすように、白で塗装がされています。これはどちらかというと目地を消す方法だと言えるのですが、煉瓦なので近くに行くと素材感・肌合いが見えるというような表現になっています。

青森県立美術館は確か目地巾が15mmだったと思いますが、誘発目地を煉瓦の目地に合わせているので、実際には誘発目地がわかりづらくなっています。最近ではこのような目地を消していくという表現が主流になっていると思います。

虎屋京都店に戻りますと、ここではごく普通のタイルを使っていますが、半割タイルを組み合わせることやランダムな配置にすることで独特の表情をつくっています。和菓子屋ということを意識した時、一つの塊でありながら、表面には柔らかさを出したい、でも目地で細かく分割されてしまってはそのような見え方にはならないかと思います。そのような葛藤の末、目地を消し去ることで建物本体のボリュームが持つ量感を保つことが出来る、という結論が虎屋京都店の目地の取り方です。

タイルの貼り方のバリエーションは結局、目地をどうデザインするかということなのだと思います。この京都虎屋店の例は特殊解ですが、建物全体のコンセプト、あるいは設計の哲学と一致することで、建物としての強さが生れるのではないかと思います。目地の選択にまで哲学を徹底すると、建築としてのクオリティを高めることが出来るのではないでしょうか。

建設という意味で考えるとこれはとても本質的なことです。設計は分割されたものを組み合わせる・積み上げるという行為です。RCだとそれがシームレスにできますので、抽象化にこだわった時代にはそれが主流でしたし、目地のない模型でつくったそのままが建ち上がるような仕上がりになります。
ただ建物は動くものだということを前提とすれば、目地をどう考えるかがとても重要です。誘発目地を嫌う建築家も多いのですが、これはどうしてもセットで考えなくてはならないと思います。

■今の技術と向き合い、建築をつくるということ
最近私はテクノリージョナリズムという造語を考えています。例えば21世紀になり、色々な技術が現在では世界標準になってきています。様々な材料、工業製品を生産するための技術に関する地域差がなくなってきているということを考えると、技術と地域をつなげるというつくり方があるのではないかと思うのです。

例えばタイルはどこの国でもつくっていて、その技術は基本的には同じです。ところが原料の土や釉薬等により同じ技術でつくっても仕上がりは違ってきます。タイルをつくる技術は広がるけれど、出来上がるモノの質としては地域性を持つ、ということの典型になるのではないかと思います。

そうした歴史の積み上げという視点で考えると、たとえば京都は伝統的なまちだと言われますが、実は何でも先進的にやってきたという歴史があります。小学校は京都が発祥ですし、煉瓦の洋館の誕生も東京とほとんど同時です。素材に対してもただ古いものをそのまま使うとか、地場産のものだけでつくるという過去に固執した考え方ではなく、今という時代をまちにどう植え付けて行くというか、今の技術や文化でまちをつくって行けば、それが本物でさえあれば、その地の歴史になっていく、と考えています。

今の技術がどこまで行っているのかを徹底的に見据えて、ものを積み上げるというのが建築家の仕事なのではないかと思うのです。


2013.05.31 
文責・加藤幸枝


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2013年5月7日火曜日

素材色彩研究会MATECO連続セミナー『都市・まちの素材と色彩』 開催のお知らせ



素材色彩研究会MATECOでは、都市・まちの素材と色彩をテーマとした連続セミナーを実施します。
世界の様々な都市の地域性豊かな素材・色彩について、現地に渡航・滞在経験のある方々にご紹介頂くことの他、それぞれの分野に係わりのある素材や色彩が、その地でつくりあげられてきや景色の成り立ちを紐解いて行きたいと考えています。
その地域特有の景色の生成に大きく影響を与えている素材や色彩、独自の工法等にフューチャーすることにより、素材と色彩の関係性やそれぞれが持つ構造を探り出したいと思います。またその地域ならではの素材と、その地理的環境や状況における素材や色彩の使われ方を学び、日本のまちの保存や再生、そしてより豊かなまちなみの創造に向けて役立てて行きたいと思っています。

初回のゲストは建築家の山道拓人さん、聞き手には同じく建築家の西田司さんをお招きします。山道さんは2012年、南米・チリのELEMENTAL/Alejandro Aravena Architects に勤務されていました。このチリでのご経験に加え、日本でのご自身の実践を交えながら、まちの素材や色彩という切り口で豊かな社会のあり方についてお話頂き、参加して下さる皆さんとも議論を深めて行きたいと考えています。

連続セミナーのお知らせ

第一回のゲスト・テーマと聞き手のご案内
●日時:2013年6月16日(日) 13:30開場 14:00開演 17:30終了予定 

●場所:代官山ヒルサイドテラス E棟ロビー

●第一回ゲスト
山道拓人(建築家)× 聞き手:西田司(建築家)
第二回ゲスト/吉田愼悟(色彩計画家)・第三回ゲスト/蘆田暢人(建築家)
※二回目以降は予定

●お申込み
お名前・連絡先・所属を明記の上、以下メールアドレスよりお申し込みください。
●定員

●参加費
1,000円(ワンドリンクつき)

2013年4月11日木曜日

第一回ワークショップ『まちの色を測る』 参加募集のお知らせ


素材色彩研究会MATECO第1回目のWSは『まちの色を測る』がテーマです。
「色のものさし」であるマンセル表色系を活用した色見本帳を用いての色彩調査・分析方法は、景観計画における色彩基準の策定や運用等に広く用いられ、客観的・科学的な検証や秩序ある色彩選定方法の構築に役立てられています。

色を数値化し複数のデータを集計することにより、通りや地域が持っている「色彩的な特徴・傾向」を読み解く方法を実際に体験し、データの読み取り方や検証の仕方を考えるWSです。
今回のWSでは単に色を測るという行為のみだけでなく、数値から何を読み解き、その地域での計画にどういった点を反映させるべきか、という分析・検証がセットになっていますので、建築・土木・ランドスケープ・インダストリアル…等の設計・デザインに関られる方々に、ぜひご参加頂きたいと思います。

市販の色見本帳を用いた視感測色の方法やコツが体験できるWSです

測色値の集計方法を体験し、数値からまちの色を読み解く方法を体験して頂きます
尚、このWSの調査・集計結果はNPO法人GSデザイン会議が発行するフリーペーパー第二号に掲載されるG-SampoMAPのデータとして活用します。
様々な要素・分野をつなぐ素材や色彩を切り口から、『Ground Scape』を体験して頂きたいと思います。

●対象:環境を取り巻く様々な素材・色彩に興味のある学生及び社会人若手
●対象エリア:東京都千代田区神田の書店街
主に外装基調色・舗装・ストリートファニチャー・屋外広告物の測色を行います。タイル等の素材色は測色が多少難しいのですが、その測り方や素材の見方のコツなども交え、測色方法を体験して頂きます。
測色に必要な色見本帳はこちらで用意しますが、筆記用具・カメラはご持参下さい。
※メモ紙を挟んだA5サイズのクリップボードがあると便利です。
●定員:先着12名
※定員以上のお申し込みを頂きましたので、4/14、いったん締め切らせて頂きます。
●日時:2013年4月20日(土) 10:00~15:00終了予定 ※荒天中止
●内容:
10:00~11:30  対象エリアの測色 ※神保町駅集合
11:30~12:30  神田で昼食(神田の老舗・カレーのエチオピアやてんぷらのいもや等)
13:00~      本郷幸伸ビルGroundScape Knotに移動 
           測色結果の集計と分析方法のスタディ
           (環境色彩デザイン事務所CLIMATスタッフによる指導) 
●参加費:無料(昼食代及び移動の交通費は各自負担)
●申し込み先:100mateco(アットマーク)gmail.com
お名前・連絡先・所属をご記名のメールをお送り下さい。 

MATECO代表 加藤幸枝・田村柚香里

2012年11月13日火曜日

タイル工場見学会・レポート公開のお知らせ


2012年6月23日・24日に実施致しましたタイル工場見学会のレポートが完成しました。

タイルという素材の魅力から、分類に関する基礎知識、4つの工場の特徴や製法紹介、見学会参加者の感想…と、一冊でタイルの概要を知ることが出来るレポートです。
是非ご高覧下さい。

タイル工場見学レポート(PDF形式・2.13MB)

見学会参加募集のフライヤーに続き、メンバーの伊藤祐基さんが素敵な表紙をデザインしてくれました。

素材の産地を見てきた後、次にどのように設計し施工にはどのような技術や知識が必要なのか、ということをもっと知りたいという参加者の要望から、去る11月2日に第二回勉強会『素材が立ち上がるまで-日本のタイル 生産・設計・施工の現場から』を開催しました。

ご参加下さいました皆様、本当にありがとうございました。

ゲストレクチャラーとしてお招きした建築家・蘆田暢人氏には年代毎の目地の扱い方の変遷という新しい見方、建築の哲学を徹底することの意味など素材から建築を語って頂きましたが、それは結局建築の本質につながっていくことなのだと実感しました。

タイルという何処の国にもある素材、その技術は拡がりを持つがモノの質は地域に根づく、というお話はまちなみ形成の新しい可能性へと発展。それはまさにMATECOが考えている、素材・色彩と全体の構築の往き来の意味や意義を示すものでした。

MATECO代表田村と不二窯業株式会社の清水真人氏、田中信之氏にご紹介頂いた施工技術もまた、年代毎にどのように発展してきたかという変遷を知り、素材を扱うことの難しさや面白さに益々興味が湧いてきました。

技術と素材、安全性と施工性。不二窯業さんには接着剤など副資材まで沢山の現物を持って来て頂き、見て・触れて・体感する、を目指す勉強会として、大変濃密な三時間半となりました。

この勉強会の詳細は追ってテキストに整理し、本blogで公開させて頂きます。
もうしばらくお待ち下さい。

一度の見学会・勉強会でタイルは終わり、ではもちろんなく。今後も機会ある毎に、タイルをはじめとする様々な素材の成り立ちについての見識を深めて行きたいと思います。
次の見学会・勉強会にも是非ご期待下さい。

2012年11月13日
MATECO代表 加藤幸枝・田村柚香里



2012年10月29日月曜日

【MATECOレポート】 タイル工場見学会を終えて


少し(…大分)時間が空いてしまいましたが、6月23日・24日に実施しましたタイル工場見学会のレポート、間もなく完成です。11月2日(金)の第二回勉強会の参加者に配布の後、本blogにupしたいと思います。ご期待下さい。

以下MATECO代表田村・加藤の見学会を終えて、のテキストを先に掲載させて頂きます。
ぜひご高覧の上、2日の勉強会に向け想像を膨らませて頂きたく思います。

10月29日(月)現在、定員までまだ若干余裕があります。参加者は建築・土木デザイン・ランドスケープデザイン・ハウスメーカー・工務店・学生…と、様々な分野の方々です。素材と色彩はまちや空間を繋ぐ要素である、をモットーとするMATECOらしい勉強会になりそうです。
どうぞ宜しくお願い致します。→お申し込みはコチラ。


●「選ぶ」から「つくる」へ
事務所の中には一体どれだけの数の「カタログ」が常備されているだろう。

設計の過程で素材を選ぶ時、ほとんどの場合、まず始めにすることは「本棚に並んだカタログの中から目当てのメーカーさんのものを引っ張り出し、ページをめくるか、またはもっと手っ取り早く、カタログさえ開かずインターネットでメーカーさんのサイトへ行き、例えば「用途別」「コスト別」検索をしてイメージや条件に合いそうなものを選び、サンプルを取り寄せる」、という行為から始まります。

事実、私自身もそうすることがあります。それでもカタログの場合はページをめくる間に、目当てのもの以外にも目が留まり、「こんなものがあるんだ」と発見するチャンスもありますが、ネット検索の場合はあまりにも直接的に諸条件にあったものが限定表示されるために、「発見する」機会さえありません。いつの間にかそんなシステムにすっかり慣れてしまって、「決める」という行為のほとんどが「選ぶ」に置き換えられてしまっているように感じることがあります。

焼きもの素材であるレンガやタイルの場合は、カタログには掲載され尽くせない数多くの選択肢があります。
事実、実際に工場に足を運んでみるとどうでしょう?そこにはカタログには掲載されていない形状、テクスチャー、色合いのものがたくさん溢れています。

本来、「ものづくり」とは、求める者と求められる者との間でイメージを共有し、アイディアや技術を出し合うことによって実現される行為です。そのためには互いに相手の言葉を理解し、最良のものを生み出す努力が必要であり、そうした過程を経て初めて設計者やデザイナーは最良の素材を選定することができ、工場は新たな素材を生み出すことができます。また、そこで得た経験と発見がお互いの財産となるのです。

その行為こそが設計者・デザイナーと産地との真のコラボレーションであり、コラボレーションの原点とは、「選ぶ」から「つくる」に返ることにあるのではないでしょうか。
                   
        マテリアルディレクター・田村 柚香里



●探究心が切開く未来
MATECO設立に向けて今年1月にしたためた企画書には、主な活動内容を

1.学生・ディベロッパー・建築設計事務所・行政景観担当等を対象としたセミナーの開催(年2~4回)
2.工場見学ツアーの開催(年1回~2回) ※まずはタイル。平成24年6月頃に実施したい。
3.素材・色彩に的を絞った設計者・デザイナーへのインタビュー(年4回~6回)→Blogで公開。
と記載しました。

昨年夏に田村さんと出逢った当初から、『この方の案内で工場見学が出来たらどんなに素晴らしいだろう』とずっと考えていた企画が今回現実のものとなり、多くの若い世代にタイルの魅力を“体験”してもらうことが出来たのではないかと思っています。
タイルという素材は加工品ですが、どんなに工場が機械化されても省くことの出来ない、人の目や手を必要とする工程があります。そうした判断・行為は製品カタログには記載されていませんし、メーカーの営業の方もいちいち説明はしてくれません。ともするとカタログは設計において単にスペックを検討するための道具として使われている例も少なくありません。

素材を知るために何より必要なのは、その成り立ちを理解することである、と考えています。そこには産地の歴史と現代が抱える課題、決して明るいとは言えない時代の中でなお、地域の産業を守るために既製の枠組みを超え力を合わせる次世代の奮闘・活躍など、圧倒的にリアルな現実がありました。

今回、参加者は実務経験が皆無・もしくは乏しい学生~20代が中心であり、正直、製品毎の特徴や専門的な技術を理解できるか等、少しの不安がありました。が、生産の現場を目にした彼ら・彼女らの目の輝き、次々と質問を繰り出し熱心に工場の方々と話をし写真を撮る様子を見、こうした物事に対する探究心こそが未知の・よりよい環境の創造の原動力であり、それを支える産業の力が不可欠であることを強く感じました。工場の様子をインドのスタジオ・ムンバイに例える人が多くいたことにも、これからの環境・空間づくりの大きなヒントがあるような気がしています。

最後になりますが、共同組合ケーエスジーの谷口様を初め、ご尽力頂きました各工場の皆様方には心よりお礼を申し上げると共に、近い将来、見学会参加者と産地の方々がタイルという素材を介し創造の場で出逢えることを心から願います。そして自身もまた、愛着のあるタイルという素材と末永く向き合っていきたいと思います。
ご協力頂きました皆様、本当にありがとうございました。

色彩計画家・加藤幸枝