2012年3月29日木曜日

素材と色彩を待つ、MATECO箱


MATECO 箱は12cm角の小さな桐箱です。
このMATECO箱は『十人素色-決定の論理-』にご登壇頂く10組のレクチャラーの方々にお渡しし、これまでに手がけられたプロジェクトやご自身の専門分野に欠かせない『素材と色彩』を詰めて頂くよう、お願いをしているものです。

MATECO→玉手箱、といささかダジャレ混じりではありますが、大真面目に、素材と色彩の多様な魅力を伝えたい、そして様々な決定の方法論・論理を視覚的な情報としてストックしていきたい、という思いから生み出された展示の方法であり、あえて箱に共通のモジュールを用いることにより、中身を一層際立たせることができるのでは、と考えています。

まさに十人十様、どのような素材・色彩が登場するか、私たちも当日までわくわくしながら待つこととなります。
そこには実物の素材の他、何かプロジェクトのイメージや雰囲気を想起させるものが登場するかも知れません。10組の方には思考の一端を切り取って頂き、小さな箱の中に凝縮し披露して頂くという大変無理なお願いをしてしまいましたが、MATECOらしい素材と色彩の表し方が実現するのではないか、と思っています。

10組のレクチャラーの方に製作して頂くMATECO箱を実際に見ることができるのは、今のところ421日(土)、会場のみとなりますので、どうぞお楽しみに。
来年、再来年と回を重ね、100個集まった折には、大MATECO展を開催したいと考えています。
名付けて『貯まって小箱展』。

…お後が宜しいようで。

2012年3月20日火曜日

『十人素色-決定の論理-』 参加募集について

春の彼岸を迎え、ようやくサクラの開花予想を耳にする季節となりました。
 お知らせしておりました、4月21日(土)開催のMATECO設立記念レクチャー、『十人素色-決定の論理-』、いよいよ参加募集を開始致します。
以下詳細をお読み頂いた上、メールにてお申し込み下さい。

●開催日時
 2012年4月21日(土) 
13:00開場 13:30開始 終了予定時間:18:30(予定)

●会場
代官山ヒルサイドテラス・サロンウエスト 
※西郷山公園向かいの建物です 

●定員 60名
※4月12日、お申し込みが定員に達しましたので、受付は締め切らせて頂きました。
キャンセル待ち・立見等をご希望の方、以下アドレスまでお問い合わせ下さいますよう、お願い致します。

●レクチャラーの方々(五十音順・敬称略)
岡安泉 [照明設計] http://www.ismidesign.com/
小川重雄 [建築写真]
川添善行 [建築] http://www.gandz.com/
北川一成 [グラフィックデザイン] http://www.moshi-moshi.jp/
熊谷玄 [ランドスケープデザイン] http://www.stgk.jp/stgk.jp/studio_GEN_KUMAGAI.html
崎谷浩一郎 [土木] http://www.eau-a.co.jp/
田村柚香里 [マテリアルコーディネート]
流麻二果 [アーティスト] http://www.manikanagare.com/
八島紀明 [サインデザイン]
403architecture [dajiba] 辻琢磨・橋本健史・彌田徹 [建築] http://www.403architecture.com/

●申し込み方法
お名前学生・社会人の種別(学生の方は学校名もお願いします)
連絡先(メールアドレス)を記載の上、
 100mateco(アットマーク)gmail.com へメールにてお申し込み下さい。

※お申し込み後、受付確認のメールをお送りさせて頂きます。メール送信後、4~5日経っても返信の無い場合はお手数ですが以下加藤アドレスまで連絡をお願い致します。

●参加費学生1,000円 社会人2,500円 (同会場での懇親会費込み)
※当日開場にて徴収させて頂きます。

●お問い合わせ先  ykatoykato(アットマーク)gmail.com  担当:加藤幸枝(CLIMAT

●内容
色の選定は難しい・苦手だ、という設計者のセリフをよく耳にします。本来、素材と一体であるはずの色彩はいつのまにか“センスが無いと選べないもの”として、特に建築・土木デザイン界では積極的に・好んで使いこなす例が減りつつあるのではないでしょうか。
また素材については、その特性を充分に熟知していないと思うように扱うことが難しく、ケミカルな材料の普及により本物に触れる機会が減少し、リアルなマテリアルの特性に触れないまま社会に出て行く学生が増えつつあるという現状があります。
一方では、“感覚的に”決めているという表現も多く用いられていますが、実際専門家が考え抜いて決定に至ったコトの裏には恐らく何らかの必然性があり、調和を成すための構造や論理が隠されているのではないか、と考えています。
そこで、設計者やデザイナー・アーティストがどのような眼で素材と色彩を選び・決定しているかを語って頂き、さらに環境に係わる多様な分野を横断しながら『決定の論理』を紐解いていきたいと考えました。当日、会場には各人に選んで頂いた『マテリアル』の展示も行います。 建築設計やデザインを学ぶ特に若い世代に向け、感覚を支える・裏付ける制作のプロセスや論を持って選定にあたることの意味を考え、表現の意味を知りその可能性を拡げていく会です。
どうぞ奮ってご参加下さい。

2012年3月5日月曜日

『十人素色 -決定の論理-』開催のお知らせ1

MATECOでは来る4月21日(土)、『十人素色 -決定の論理-』というレクチャーイベントを行うこととなりました。
建築、土木、ランドスケープデザイン、マテリアルコーディネート、サインデザイン、グラフィックデザイン、アーティスト…。環境・空間の形成に係わる様々な分野のプロフェッショナルに、自らの活動や作品において、素材や色彩の選定・採用を決定づけている要因、そしてその論理を語って頂くクロストークあり・本物のマテリアルあり、さらに懇親会つきという豪華イベントです。
まずは10組のレクチャラーの方をご紹介させて頂きます。申し込みについては、今月中旬を目処に準備を進めておりますので、今しばらくお待ち下さい。
素材と色彩が各々の作品やプロジェクトにどのような役割を果たし、影響を与えているか。さらには、設計者・デザイナ-独自のこだわりの一端から、新しい何かを生み出すためのエネルギーやその先にある可能性を見出すことが出来るのではないか…。
そんな期待を持って、ご登壇をお願いした10組の方々です。どうぞご期待下さい。

レクチャラーの方々(五十音順・継承略)
岡安泉 [照明設計] http://www.ismidesign.com/
小川重雄 [建築写真]
川添善行 [建築] http://www.gandz.com/
北川一成 [グラフィックデザイン] http://www.moshi-moshi.jp/
熊谷玄 [ランドスケープデザイン] http://www.stgk.jp/stgk.jp/studio_GEN_KUMAGAI.html
崎谷浩一郎 [土木] http://www.eau-a.co.jp/
田村柚香里 [マテリアルコーディネート]
流麻二果 [アーティスト] http://www.manikanagare.com/
八島紀明 [サインデザイン]
403architecture [dajiba] 辻琢磨・橋本健史・彌田徹 [建築] http://www.403architecture.com/

2012年3月4日日曜日

MATECOとは?

2012年2月2日、素材と色彩について考える会【MATECO】が発足しました。

MATECO は Material & Color 、そして Material / Atmosphere / Texture / Environment / Color / Organization の頭文字から構成されています。都市環境・空間に係わる様々な素材・色彩について、学び・考え・発信して行きます。

特徴ある素材・色使いの建築家・デザイナーへのインタビュー、レクチャー・ワークショップの企画運営、勉強会、タイルを始めとする工場見学…等々、様々な分野の専門家を交えて多様な議論や探究、そして新しい素材・色彩の使い方の可能性を、参加して下さる皆さんと共に考えて行きます。

建築家・デザイナーが考える、素材・色の選定の方法、オリジナルのツールについて、もっと知りたいのです。そこに、どんな理論があるのか、あるいは全てが感性なのか…?そうした疑問や興味、可能性を素材と色彩の観点から解き明かして行きたいと思います。また、建築やアーバンデザインやランドスケープデザイン等、全ての分野において、素材や色彩の教育がどのように扱われているか、他の国の事例も交えながら考え、実践に繋げて行きます。

素材集・色彩集もデータとして編集して行きます。まずは4月21日(土)に設立記念を兼ね、素材と色彩について語り合う集いを開催します。そこには生の素材が登場、手で触り・目で触れることのできる、リアルな質感を大切にし、都市環境・空間における素材や色彩の成り立ちを考えてみたいと思います。

今後、レクチャー等年間の予定を順次発信して行きたいと思います。どのような形になるか、私たちも手探りですが、今までに無い手触りを意識したイベントなど、広く議論の出来る場や学びの機会をつくって行きたいと考えています。

MATECO。それはまちなみや建築・工作物の外観を語る上でのポジティブな指標、になり得るかも知れません。素材や色彩を丁寧に扱い工夫が見られる、或いはさりげない存在感や味わいがある、といった雰囲気。言葉に出来ない・形にならない価値を、まずはより良くみる、という行為から見出して行きたいと思います。

MATECO、始まりました。

この度、環境を取り巻く様々な分野に係わる素材・色彩のあれこれについて考える会を立ち上げました。以下、【MATECO】の設立趣旨です。これから様々な発信を行って行きますので、どうぞ宜しくお願い致します。

設立趣旨

2004年(平成16年)に策定された景観法の策定以後、専門家のみならず景観に対する意識の高まりは活発になり、各地でまちづくりと連動した景観に対する取り組みも益々盛んである。また、2011年のUIA世界大会東京等で取り上げられたように(誰が景観を創るのか?~筋書きの無い物語)、これからの縮退社会において景観がどのようにあるべきか、あるいはどのように創造していくべきかという議論が各地で聞かれるようになったが、地域ごとの課題や生かすべき資源は様々であり、一律に法に従えば良質な景観整備が叶う訳ではないということは自明である。

法律はあくまで『著しく景観を阻害する要因を取り除く』ためのネガティブ・チェックであり、創造的で良好な景観を形成していくためには新しい時代にふさわしいコンテクスチュアリズムを構築し、課題を解いて行くための方法論が求められている。その一方、一つの方法論が別の地域には当てはまらない点が景観形成の最も難しい部分であり、各分野における真摯で地道な取り組みが必要とされている。

その取り組みの一縷を担う視覚的要素である素材・色彩は、アーバンデザインや建築等の専門教育において未だ積極的に扱われておらず、外装仕上げ材は単なる表層、色彩は単体としての美しさや個性を表現するため、限定された環境下でのコーディネートの域に留まっているのが現状である。

未来の景観を担うArchitect(建築家・アーバンデザイナー・ランドスケープデザイナー等)のタマゴ達が、素材や色彩に関する十分な知識を持たないまま実務にあたらねばならない現状は兼ねてより危惧してきた実情であり、特に若い世代に向けて有益な情報の発信と議論の場を提供することが必要だと考えている。

私たちは長く様々な実務に係わってきた経験から、素材や色彩は単に外観の保護や美観を保つ表層としてだけではなく、まちなみの調和や適度な連続性・地域の“らしさ”に対し多大な影響を持ち、景観を構成する重要な要素であると考えている。また建築設計における空間構成やフォルムの生成において、素材や色から立ち上がるボリュームという考え方もあるはずであり、素材や色彩で解決出来ることの限界を十分に把握しつつ、その無限の可能性についても大きな期待を抱いていることも事実である。

更に、例えばタイルという素材は日本の土を使い・日本の工場で・日本の職人が長く製造に携わってきたという歴史を持っている。そうした素材の持つ歴史(=文化)をより深く学ぶことにより、日本の産業を支える役割としてのアーキテクトの意義を見出して行くことについても考えて行きたい。

今一度、日本が長く培ってきた『その地にある材料で建築・工作物をつくってきた』という地域特有の景観の歴史を見直し、そこから地域の未来の景観を考えてみると共に、新しい技術によって開発された素材の特性や色彩の機能的・心理的・生理学的側面からも快適な環境や空間形成の可能性を考えて行きたい。

同時に、基本的な色彩調和の理論等を活用することによって、とかく嗜好や感性の範疇として捉えられる素材・色彩の選定を、広く共有されるべき理論に基づき行うことが出来るよう、様々な情報や技術の普及・啓発活動及び教育に努めていくことを目指す。

2012年2月吉日